お知らせnews

2008.08.12 ご案内

●蔵耐震改修・・・実施ご案内

お客様へ 築200余年の醤油醸造蔵の耐震改修工事の実施について

いつも丸中醤油をご愛用頂き誠にありがとうございます。
この度わたくしども丸中醤油は、創業以来守り続けてきた伝統蔵を、継承された古式製法の技法とともに後世に引き継ぎたく、蔵の改修工事にとりかかることになりました。
この時代に改修するということは、新しくするということが前提となる中、私くしどもは、古い物を古いまま後世に残すという事を大前提にこの改修を行います。地方の小さな蔵元ではありますが、創業以来守り続け「宝」としている蔵と、滋賀の風土に培われ棲みつく微生物(醸造菌)が丸中醤油の味を大きく左右していることから、古い物を古いままの状態で改修するという敢えて困難な改修方法をとることを決意いたしました。
その様な改修方法は、他に類を見ない難易度の高い工事であり、また改修費用も醸造蔵の新築に比して2倍程度の費用がかかり、小さな蔵では大きな負担でありますが京都の著名な宮大工さん等とのご縁を頂き、着手できる運びとなりましたのでご報告いたします。
このような運びになりましたのも、ひとえに丸中醤油をご理解ご愛用頂いているお客様のお力添えを頂けたからこそと蔵元一同心よりお礼を申し上げます。「たかが醤油、されど醤油」、世の流れに逆行し、丸中醤油はあえて変化いたしません。工事期間は醤油育てに影響を与えない時期として 8月中旬~仕込前の2月中旬 までの期間となります。今までと変わらず醤油を育みつつ、古い物を古いままの状態で改修する工事を行いながら、改修を行います。何かとご迷惑をおかけしますがどうぞ皆様のご理解と応援をお願い申し上げます。  平成20年8月吉日 丸中醤油 代表取締役中居真和
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・

( 詳細 )
この数年、私ども蔵元でも異常気象の影響ともいえる「集中豪雨」、「台風」、「地震」に見舞われ「宝」と致しております築200有余年の醸造蔵の老朽化に拍車がかかっている現状でございます。今や、料理の隠し味としてプライドの高いフレンチ3つ星シェフがこぞって使いだしたと言われ、世界に誇れる日本の発酵醸造の文化ともいえる<醤油>ですが、現状は困難な経営環境に曝されている業種でございます。大量生産によって醤油の価格や価値も大きく下がりました。食生活の大きな変化や便利なものの出現により、半世紀前まで全国で約6,000件あった醤油醸造業者や、5年前の調査では約1,200件(登録数)と激減しています。実に、年間100-200件廃業を余儀なくされており、醤油の消費量の減少傾向と厳しい経営環境の中、あと10年経つと一体どれだけの醤油醸造事業者が存続しているだろうかと不安にかられます。古い物を古いままの状態で改修するという困難なこの改修工事を改修業者様がお引受け頂いた大きな理由は、「数枚剥がした瓦の裏にまで、微生物(醸造菌)がびっしりまわっていた、伝統を守ることの大切さがわかった事。又、丸中醤油の味が本当に素晴らしかったこんな価値ある仕事に関わらせて頂ける事は職人冥利につきる、めったにないご縁だと思い、是非、手がけさせてほしいと逆に頼ませていただきました。」と受けていただきました。
● 改修方法・・・・1
蔵の内部に、仮設の家を建てます。その理由は、
・醤油育てのための作業を続けながら改修を行いますので改修の間も櫂入れなどの手入れ等、しょうゆ育ての作業を続けられるように又、ほこりなどが落ちてきて樽内には入ったりしないよう品質管理上の理由も大きな理由です。
・・・・・・・・・・・・2
蔵に棲みつく微生物(醸造菌)に影響を与えないよう慎重に事を運びます。下記内容は業者では例がないとの事。・機材や仮設台については、醸造蔵への搬入前にすべて高圧洗浄を行います。・醸造菌になんらかの影響を危惧される有機溶剤系の資材材料は一切使用いたしません。・柱は最小限で効果を考えた部分的な補修、接ぎ木補修に留め、その際の使用木材は輸入材を使用せず風土にあった国産木材を使用します。
・・・・・・・・・・・・3
通常のラーメン構造(鉄で固めるのが普通)ではなくゆれることを前提とした伝統工法が基礎となります。                    以上
今後の様子を又ご案内できればと考えております。何卒よろしくお願いいたします。

カテゴリ

アーカイブ